希望の党よ 野党の核となれ
もうしばらく様子見が必要だが、少なくとも最悪の方向には行ってないと思う。
党内の「小池降ろし派」が割り出され、それが小規模である事が確認された事は、希望の党が今後前進していく為に必要な儀式だ。もちろん玉木氏を支持した中に隠れ反小池派がいるのは間違いないが、 当面は表には表れないだろう。
希望は小池代表を降ろしてはならない。それはもちろん東京オリンピックを控えているからであり、小池都知事が代表である事は、他党にはない大きなアドバンテージだからだ。自民党は小池氏が代表である限り希望を無碍には扱えない。場合によっては公明党以上の発言力を確保する事も難しくは無い。
党人事においては、細野氏や長島氏といったチャーターメンバーを重用することを、連合が警戒しているとの報道もある。起用するかしないかはともかく、人事に連合の意向を反映させる意味はほとんど無い。連合なんぞ立憲民主にくれてやる、くらいの気概をもって党運営するべきだ。まずやるべきは、党の地方組織の充実で、参院選までに都道府県連本部を全て自前で立ち上げられるかが勝負だろう。小選挙区の支部は後回しでいい。活動してれば必要に応じて出来てくるはずだ。
現実的に政権交代を成し遂げる行程を描くなら、10年程度のスパンで考えなければならない。当面の目標は自公両党を過半数割れに追い込む事だが、別に自陣営が過半数を取る事は必須ではない。第二勢力を維持した上で自公より議席が少ないなら、首班指名は自民党総裁を書けばいい。実入りが大きいなら連立すればいいし、そうではないなら閣外協力に留めて是々非々路線で行けばいい。大切なのは常に権力の傍にいる事を目標とし、権力に影響を与える立場である事だ。
とにかく求めたい事は、安易な対立軸とポピュリズムに踊らされない事だ。特に外交安保議論では努めて現実路線で政策を煮詰めてもらいたい。自民党の安保政策が最高ではないが、だからといって夢のような平和外交を語る野党は、社民党と共産党でおなか一杯だ。政権を獲りたいなら、奪う票は自民党支持層だ。
日本の選挙制度が小選挙区制であるのなら、目指す方向はリアリスト二勢力とドリーマー野党という三極構造だろう。その一翼を担う自覚を持った野党になって欲しい。