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欧州のナショナリズム回帰 伸張する右派

日本が力士の暴行事件とモリカケに現を抜かす中、ヨーロッパの政治地図は大きく変わるかもしれない。

 

ドイツ連立協議決裂、FDPが撤退 メルケル氏の4期目続投に暗雲

11/20(月) 8:41配信

ロイター

[ベルリン 20日 ロイター] - ドイツのメルケル首相が率いるキリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)、自由民主党(FDP)、緑の党による連立協議が19日、決裂した。企業寄りのFDPが、妥協できない意見の相違を理由に協議から撤退した。

これにより、メルケル首相が緑の党少数与党政権の樹立を目指すか、新たな選挙が実施されることになる。

FDPは、移民・難民や環境など主要な政策で妥協点を見いだせなかったと主張。リントナー党首は記者団に「今日の協議は進展しなかったどころか、むしろ後退した。妥協を探っていた点について疑問が呈されたからだ」と述べた。「不誠実に政権参加するなら、しないほうがましだ」と強調した。

再選挙となれば9月の選挙で国政に初進出した極右政党「ドイツのための選択肢(AfD)」がさらに得票率を伸ばす可能性もあるため、CDU・CSUなどはこれを回避したい考え。 

欧州最大の経済大国ドイツでの政治空白は、ユーロ圏改革や欧州連合(EU)の対ロシアなど外交政策に影響が及ぶ可能性がある。 

メルケル首相は20日、シュタインマイヤー大統領に会い、緑の党自由民主党(FDP)との連立政権を樹立できなかったと伝える、と表明した。

また、主な障害は移民問題だったとした。

大統領は新たな選挙を求める権限を有しており、メルケル首相が大統領との面会を決めたことは、FDPが連立協議から撤退したのを受け、同首相が緑の党少数与党政権の樹立を目指さない可能性を示唆する。

メルケル首相は記者団に対し「首相として、今後の困難な数週間にこの国がうまく運営されるようにするために何でもやる」と述べた。

少数与党政権の樹立や再選挙は、第2次世界大戦後、前例がない。

連立協議決裂を受けて、ユーロは対円で2カ月ぶりの安値に下落した。

3党は4週間以上にわたって、連立協議を進めてきた。

CDU・CSUは、ドイツが受け入れる難民の数に年間の上限数を設ける方針を示していたが、緑の党がこれに反対。

FDPのリントナー党首は、安定した政権を4年間継続するための十分な信頼関係が3党の間で築けなかったとコメントした。

ドイツ商工会議所(DIHK)のエリック・シュバイツァー会長は「国の将来を左右する重大問題への対応が長期にわたって遅れる恐れがある」と指摘。「ドイツ企業は不透明感が長期化するリスクに備えるべきだ」との見方を示した。

第2党のドイツ社会民主党(SPD)は、再び連立を組むことはないと表明している。

ただ、CDUのJens Spahn氏は、再選挙についてはまだ考えていないとし、SPDとの連立の可能性に言及した。

同氏はn-tvとのインタビューで、一部のSPD閣僚が政権参加の可能性を示したと明らかにし、SPDはドイツのために責任ある立場につく用意があるかどうかを今後決定する必要があると述べた。

 

 メルケル首相の連立交渉は、最大の焦点だった移民政策での折り合いがつかないまま頓挫しそうだ。記事の通り、今後は少数与党として苦しい議会運営を強いられるか、一か八かの再選挙の二択となる。再選挙となれば右派「ドイツのための選択肢」が更に議席を伸ばす可能性もあり、どちらにせよ苦しい。

メルケルは紛れも無くEUの盟主だ。その政治基盤が揺らぐ事は、EU至上主義的な価値観をもつ陣営に大きな動揺を与えるだろう。フランスのマクロンは「共和前進党」を勝利させたとはいえ実績に乏しく、フランス自体も移民への国民の不満・不安は隠せるものではない。これでイギリスのEU離脱交渉はイギリス有利に進みそうなものだが、肝心の英メイ首相も足元がおぼつかない。

欧州の3大国はそれぞれに国内政界に不安要素を抱え、先の衆院選で大勝した安倍首相が羨ましくて堪らないだろう。反ナショナリズムの象徴であるEUは、溶けていくのかもしれない。

 

欧州の右派は、報道では「極右政党」と称される。各国それぞれ事情も主張も差はあるが、一貫するのは「反移民」だ。中東の混乱は収まる気配は無く、今後も多くの移民が欧州を目指すだろう。しかし彼らによって仕事を奪われ、また治安悪化をもたらされた市民のストレスも高まる一方だ。EU的な正義と寛容の価値観は、途上国に富と共に混乱を持ち込み、母国には「母国らしさ」を失わせている。

各国で右派政党が伸張するのは、欧州だけに見られる現象ではない。アメリカにおけるトランプの勝利は世界に衝撃を与えたし、日本で自民党が磐石なのも根の部分は通じるものがある。間違いなく今、世界の政治はグローバリズムからナショナリズムに振れている。

彼ら欧州右派の理想とも言える国は、他ならぬ日本である。日本は日本でいつまでも日本に同化しないし帰りもしない在日問題で大変なのだが、今の欧州の難民問題から見れば大分マシなのだろう。

 

朝鮮半島で有事があれば、大量の難民が発生する。人道的支援は必要であり、外交的にプラスに働く面もあるのでやるべきだ。ただ国内への流入は細心の注意がいる。受け入れてしまったらもう出せない。これは教訓として国民に染み込みつつある。何度も言うが、国家にとって正義は実利、正義感は邪魔なだけだ。

いま世界に求められる「寛容」のスタイルは、他者に必要以上に介入しない事なのかもしれない。小さな親切大きなお世話、先人の知恵は偉大だ。

 

 

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