政治評論ブログ 10区

匿名で勝手に政治評論

「護憲」をめぐる認識の差

ひとくちに護憲といっても、スタンスは様々である。

憲法が権力を縛るのが立憲主義だ。しかし憲法は不可侵のものではなく、改正出来ることも憲法に定められている。そして最後には権力者ではなく、我々国民が投票によって意思を明らかにするのだ。改憲発議を阻止しようとする主張は、「憲法改正反対」であって「護憲」ではないと思う。

また「憲法改正に反対ですか?」という単純な質問にしても、回答者の立場は様々だ。全条文に指一本触れてはならない、という意見もあるだろう。9条以外なら考える余地はあるという人も多いかもしれない。9条にしても、自民党草案や安倍総理の私案は嫌だけど、もっと違った形があるのならという考えだってあるだろう。質問の文章次第で答えのパーセンテージも前後する。サンプルの母数の傾向がフラットかどうかだって結果に影響する。

ちなみに僕は、戦力不保持を詠う条文に対し自衛隊違憲である、という一部の憲法学者等の主張にも一理あると思っている。しかし自衛力の放棄は主権国家として現実的ではない。だから9条に自衛権を明記する事には賛成だ。現実に憲法を合わせる手法は正攻法ではないのは確かだが、現実にそぐわない憲法に力がないのも事実だ。現に事実上9条2項は形骸化しており、憲法解釈だけが実情に合わせて肥大化している。9条1項はそのままに、2項は改正の余地は充分あると思う。そういう意味では僕は大別すれば「改憲派」ということになるのだろう。

しかし一方で安倍総理の私案である、3項を追加して自衛隊を明記する案には反対だ。どのような条文にするにしろ、2項の戦力不保持と矛盾してしまう。それよりも「これを保持しない」の前に「わが国の自主独立を守る最低限の自衛力を除き」と書き込んだほうがスマートだ。改憲派も様々な考え方があるのだ。

大事なのはヒステリックにならない事だ。ただでさえ日本人は議論が苦手なのに、最近の言論はSNSに代表される様な、短文のワンフレーズな手法が主流になりつつある。そこにあるのは議論と言うよりは論破合戦で、政治の世界もこの傾向がある。議論はオール・オア・ナッシングでは駄目だ。少数派の意見は反映され難いかもしれないが、少数派を貶めてはいけない。少数派も意固地になってはいけない。

 

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